4種類の材料で6層を構成し、中心にはEVOH(エチレンビニルアルコール)の層を設けています。
このEVOH層は、ガソリン中の有害成分である炭化水素がタンク層を透過し空気中に放出されることを防いでいます。
この「4種6層」構造は、日本ではヤチヨが初めて量産化し、1999年にHonda初のハイブリッドカー「インサイト」に搭載されました。
また、タンク成形時に発生する樹脂のバリをリサイクル材として活用し、材料をムダにしない製法を用いています。
軽さが特長のひとつである樹脂製燃料タンクをさらに軽く。
従来より高い剛性をもつ樹脂材料を適用することで、タンク本体の剛性、耐圧性、耐衝撃性を保ちつつ可能な限りの薄肉化を図っています。
クルマの燃料システムから放出される炭化水素に対しては、クルマの排ガスと同様に、世界中で規制が強化されています。
ヤチヨは、この環境規制を独自の技術でクリアしています。
樹脂ならではの形状自由度を活かし、必要な燃料容量を確保しながら、広い車内空間の実現やクルマの重量バランス向上などに寄与しています。
Hondaの「センタータンクレイアウト」や「超低床プラットフォーム」などを構成する要素のひとつにもなっています。
エンジンとモーターの両方で走行するハイブリッド車では、燃料が長くタンクに留め置かれます。
特に、プラグインハイブリッド車(PHEV)はモーターで走行する時間が長く、とどまった燃料はタンク内で膨張と収縮を繰り返し、タンクはその圧力変化に耐える必要があります。
ヤチヨは独自にこの圧力変化に耐える技術を構築しており、クルマの電動化に対応しています。
車種を適用した基板形状や環境規制などによって、さまざまなニーズに対応できます。